2019年に戸板女子短期大学の学生広報スタッフ「チームといたん」の服飾芸術科リーダーを務める銭花美空さん。彼女は2019年3月に企業採用担当者50社の前で、また入学式では1000人規模の人たちの前でプレゼンを行い、一気に成長していきました。そんな彼女が戸板女子短期大学で得た自信。
私は幼いときから好奇心旺盛で、「これ何?」が口癖でした。生まれてから10カ月と経たないうちからルームシューズを外履きとして走り回り、幼稚園では毎日段ボールで車をつくったり、空き箱を使って帰りの幼稚園バスに入りきらないほどの工作をして、帰ってきていました。
小学生になっても好奇心は止まることなく、なんでも知っていないと気が済まないような性格でした。さらにはおしゃれに興味があり、コーディネートを考えて、自分で奇抜なヘアアレンジをするなどしていました。周りとは違ったことを先駆けてしたいタイプで、やりたいことを自由にやってきた子ども時代でした。
中学生では目立ちたがりな性格が発揮されます。学級委員などを積極的におこなうかたわら、部活動は陸上部に所属し、タイムという自分自身とのつらい戦いを経験しながら、先輩後輩関係での理不尽さも知りました。
高校では初心者ながらダンス部に所属し、全国大会に向けて休みなく練習していました。周りについていくのに必死で、毎日泣きながら帰ってきて、制服を着たまま寝てしまったり、寝言で先輩に謝ったりの日々。やっとついていけるようになったころには、他の子との差別化をはかってブレイクダンスを始め、半年かけてバク転ができるように。
このように、私は好奇心旺盛でたくさんの経験をしながら、他との差別化をはかることで、自分にしかできない強みをつくってきました。
すべてに全力で取り組み、経験値を高めてたくさんの人と関わってきました。一番大切なのは自分のなかで絶対に後悔しないように、目の前のものごとに必死に食らいついて、全力で取り組むこと。それが過去の経験のなかで培ってきた、私のあらゆるものごとに対する判断軸です。
小さな頃からファッションに興味がありました。だから進路を選ぶときにも、まずはアパレル関係に興味を持ちました。業界のビジネスを学んで、早く社会に出て活躍したい。そんな思いからアパレルのビジネスが学べる東京の短期大学を検索をしたところ、検索ページの一番上にヒットしたのが戸板女子短期大学でした。
ただその時点ではまだ、戸板に入りたいという気持ちは固まっていませんでした。それどころか「早く進路先を決めたい」という気持ちが先走り、戸板のオープンキャンパス前日まで、「戸板は見に行かず、このまま他の大学に決めてしまおうかな」なんて思っていました。
ただ実際にオープンキャンパスへ行ってみると、戸板に対する印象は大きく変わりました。不安と緊張でいっぱいだった私を、受付で最高の笑顔とともに温かく迎えてくれた「チームといたん」の先輩。楽しい学生生活を送れそうなキャンパス。専門的なことをわかりやすく教えてくれる先生の体験授業。こんなに楽しくて明るい雰囲気に包まれたオープンキャンパスは初めてで、「私の来たかった場所はここだ」と思いました。
加えて、様々な分野を専門的に学べるカリキュラムも魅力的でした。実は私は当時、アパレル業界に興味があったものの、保育士やウエディングプランナーなど、他にも興味のある職業があって進路を決めきれない状況でした。
でも戸板ならそういう悩んでいた分野に関しても、専門的に学べるカリキュラムや、企業とのコラボレーション制度が整っていました。そうやって魅力に感じた部分が重なって、入学することを決めました。
戸板女子短期大学に入学してからこの1年間、“何事にも全力投球”をモットーに、入会したダンスサークルの活動や、「チームといたん」でリーダー的役割を務めさせていただいた経験、その他にも様々な課外活動でチャレンジを続けてきました。
そうした経験で学んだことは、「“やりたいこと”は自ら手を挙げたり口に出したりすることで実現する」ということです。
中でも、私にとって大切なふたつのプレゼンテーション経験があります。ひとつ目は50社もの企業採用担当者の前で、ふたつ目はリアルタイムで配信された入学式にて、1000人以上の新入生と保護者の前で行ったものです。
まず夏休みのオープンキャンパスからプレゼンテーションをする機会があり、その頃はお世辞にもうまいとはいえず、苦労しました。
声のトーンや話すスピード、間の取り方、身振り手振りなど、たくさんのことに気をつけなければいけませんでした。そのために毎日、原稿を覚えることはもちろん、自分の姿を動画に撮って第三者の視点から見たり、プレゼンがうまい人を研究して自分の技術にしていきました。
自宅から最寄り駅までの時間にひとりで復唱しているところを、顔見知りの人に聞かれた恥ずかしい経験もあります。
ですが、その後のオープンキャンパスで場数を踏ませてもらったことで、自信を得られました。なのでそれ以降はプレゼンテーションの機会があれば「ぜひやらせてほしい」と口にするようにしたんです。
すると、2018年の2月に戸板女子短期大学としては初の試みだった就職業界説明会で、学校を代表して50社もの企業の方々の前で自己PRをおこなうプレゼンターに抜擢されました。
企業相手だと、オープンキャンパスで高校生にプレゼンする感覚とはまったく違い、言葉遣いや言い回しなどに気をつけなければいけません。練習の段階でスライドになんども変更があり、正直直前まで不安は尽きませんでしたが、戸板の代表としての意識を高く持って臨み、無事に終えることができました。
さらに終了後には、聞いていただいた多くの企業の方から「採用したい」「説明会にきてほしい」といっていただき、名刺交換もできて、これもまた自信につながりました。
その時に思ったことは、1年前の入学式で先輩がプレゼンテーションをしていた姿に憧れたことを思い出し、ぼんやりとした“自分も絶対にあのステージに立ちたい”という気持ちが、明確なものに。
自分としては、ぜひやらせてほしいと思っていたところ、幸運にも機会を与えていただきました。それからは、本番まで時間のない中で原稿とスライドをつくり、練習を行いました。そして迎えた本番、今までで一番いいプレゼンテーションができたのです。
一年前に憧れた場所に立ってプレゼンテーションができたこと。同じように私の姿を見て「来年は私も!」と思ってくれた人がいたらこれほど嬉しいことはありません。あの景色を見ることができたことは、大きな私の財産になりました。
私が次に目指していることは、将来的には日本が世界の売り上げナンバーワンを誇るブランド企業で販売のプロとして100人以上の顧客と関係を育み、私自身が年間1億円以上の売り上げをつくり出せるような人材になりたいです。
世界をターゲットにして、持ち前の“行動力”と“全力投球”で活躍したい。私は“何事にも全力投球”をモットーに、後悔しないよう生きています。「あのときなんでやらなかったんだろう」という後悔は絶対にしたくありません。
でも「あのときなんでやったんだろう」の後悔はしてなんぼだと思っていて、「やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい」という言葉がまさにその通りだと、この戸板女子短期大学の短大生活で身をもって感じています。
やるからには全力投球で取り組みたい。全力でやったからこそ本当に自分に足りない課題がでてくると思っています。なのでたくさんの経験のなかで、その都度常に課題を発見して、成長していきたいと思っています。