2019年3月に戸板女子短期大学 食物栄養科を卒業された伊藤 果歩さん。
戸板女子短期大学で2年間の短大生活を過ごした後、給食受託会社に就職。その後は自分のやりたい道を見つけ、イメージコンサルティング for you の代表として起業。食物栄養科から栄養士として就職、そして、全く別の分野での起業。
伊藤果歩さんに、学生時代のこと、社会人になってから、起業、学生へのメッセージなどを語っていただきました。
戸板女子短期大学の先輩のように私もなりたいと思った
私が戸板女子短期大学に入学したきっかけについてお話しします。
高校時代に進路を決めるタイミングで、「栄養士になろう」と思い、探していたところ戸板女子短期大学に出会いました。当時は大学に進学して管理栄養士を取得してから就職することも考えましたが、高校が商業科で、理系の必須項目単位を取得できなかったため、大学は選択肢から外れました。
選択肢が狭まった中で、ここで本当にいいのかなという漠然とした不安がありましたが、オープンキャンパスに参加した際に、その不安が、「ここに行きたい!」という強い想いに変わりました。初めての大学、初めての場所で緊張しながら、母と共に足を運んだ記憶があります。
オープンキャンパススタッフの「チームといたん」の先輩がピンク色のポロシャツを着て、笑顔で私たちを迎えてくれました。「といたん」がリアルな学校生活について不安や疑問点を解消してくれ、背中を押してくれました。実際に通学している先輩のリアルな声やアドバイスは、高校生の私にとって戸板での学校生活のイメージをつかみやすく、とても参考になりました。その時に私は、「といたん」の先輩のようになりたいと思いました。
入学前から学校や生徒の雰囲気がとても良かったため、入学前に大きな不安を抱えることもなく、楽しみな気持ちで入学式を迎えた記憶があります。嘘のように思われてしまうかもしれませんが、入学後大きなギャップはそこまで感じず、短大のため授業がびっしりで忙しいのは事実ですが、学生がのびのびと、やりたいことや個人の強みを活かしてキラキラとしている雰囲気が素敵な学校だと思いました。
スイーツパラダイスとのメニュー開発コラボでリーダーに抜擢
私が入学する決め手のひとつとなった「といたん」としての活動の中で、印象的なものはリーダーに抜擢された「スイーツパラダイス」とのコラボレーションです。私たちは「栄養面」も考慮して、スイーツをメインにしたレシピを考案し、試作を繰り返し、何度も先方とやり取りをし、期間限定で実際の「スイーツパラダイス」の店舗でスイーツを提供させていただきました。一緒に企画に携わっていた「といたん」の皆で原宿店に行き、視察し、たくさん写真を撮ったことを思い出します。
戸板女子短期大学の食物栄養科では、2年生になるとフードコーディネーターとフードスペシャリストの資格取得のカリキュラムを受けることができます。私はフードコーディネーターを選択しました。もともと食文化に興味があったことと、テーブルコーディネートやプロデュースのスキルを身に付けられると思ったからです。
選択授業は、基本的には自分が興味のあるものや必要だと思うスキルが身に付けられるもの、他学科の人とも交流ができるものを選択していました。食物栄養科は栄養士の資格取得までに学ぶことがたくさんあるため、2年間で詰め込むのはとても大変でしたが、自分が学びたい科目をたくさん学べることが魅力的でした。
選択授業で、特に応用調理Aが楽しかった思い出があります。毎回、スイーツを2~3種類作り、かつ調理工程の振り返りやスイーツの歴史を学べ、いつもワクワクしていました。必須項目の調理実習で作るスイーツよりも本格的でした!
卒業後、栄養士として現場で働き、イベントをする時に、この授業での経験を活用できたと感じています。
大手給食会社の栄養士から ”イメコン”事業を起業、独立
短大卒業後、株式会社LEOCに就職しました。1年目は有料老人ホーム、2年目はサービス付き高齢者住宅の立ち上げ後、責任者として約3年間現場で勤務しました。
元々は管理栄養士の資格を取得後、栄養教諭になるために再度勉強しようと思っていましたが、途中から「人材育成」「プレゼンテーション」等に興味が出てきて、キャリアプランが変わりました。有難いことに人に恵まれ、上司からも沢山の機会をいただけたことで、2年目は会社としても大きな案件である現場の立ち上げをし、当時の責任者の方と私を筆頭に現場を作り上げていくという、貴重な経験をさせていただきました。
責任者になってからは後輩が3人でき、新しい従業員とコミュニケーションをとる中で、現場栄養士でも事務栄養士でもない、「人」を大切にした何かを仕事にしたいと強く思うようになりました。
入社当時から3年経っても本部異動がなければ、会社を辞めると決めており、4年目に突入する前に、今後のキャリアプランについていろいろな方に相談しました。異動の理由は、「環境を変えたい」「新しいことをしてみたい」という気持ちと、やりたいことを見つけてその勉強も始めたいという気持ちがあったからです。その後、無事異動が決まり、同じ系列会社の本部で「外販事業」を担当しています。
外販事業本部は人数も少なく、部署内で小さな会社を運営しているようなイメージです。企業様同士の間に入って受発注をしたり、会社のPB品の販促、ECサイトの運営や梱包、営業、電話対応など、様々な業務を行っています。私には事務仕事は向いていないということも、ここで初めて自覚することができました。
この経験から、「人とのコミュニケーション」や「お客様から直接感謝されること」が好きだということを再認識しました。
その後、私はLEOCで働き、2022年1月に退職し、現在はイメージコンサルタントとして、個人の事業をメインに活動しています。イメージコンサルタントは、パーソナルカラーや骨格、顔タイプなどを元に、お客様に似合うファッションやメイクの提案、人生をより豊かにするサービスを提供する仕事です。自信のなかった私が、勇気づけられたことがきっかけで、今度は自分が誰かの支えになれる存在になりたいと考え、この道に進むことを決めました。
どう見せたい、なりたい、見られたい・・・外見だけでなく、内面にも寄り添ったパーソナルなご提案は、人にしかできないと思っています。私が変わったのは、会社員として働きながらスクールに通い、勉強し、ようやく自分自身が進むべき道を見つけることができたからです。
Future is now.
私のモットーは「Future is now」です。
今が未来を作るという言葉。
例えば、新しい挑戦、チャンスは欲しいタイミングでいつもきてくれる訳ではないと思います。
わたしは社会に出てから、なんで今なの?というタイミングでたくさんのチャンスもピンチも経験してきました。
でもその時に選択していたのはいつも、難しい方でした。
理由は、本当に欲しいものはタイミング良くきてくれないと思っているからです。
色々な本を読んでみても、数々の成功者と呼ばれる方々は皆さん口を揃えて
『ピンチになった時に逃げずにどうやったら今これを乗り越えられるか』を考えて行動してきたと書いてあるからです。
そのため、わたしもなんで今!?というタイミングできた【チャンス(兆し)】は今は忙しいから、時間がないから、お金がないから、と足をつけて【逃げる】のではなく、手にとって【挑む】人になろうと思いました。
その【今】した選択と、経験の積み重ねが、未来を明るくすると思っています。
今で見たらそんなに変わらないことも、例えば一日1時間でもいいからやりたいことに向けて勉強をすれば、何もやっていない人と比べれば、1年経った頃には⦅365時間⦆も差がつくわけです。
こんなふうに、今の積み重ねをコツコツとして明るい未来に、自分が叶えたい未来にしていこうという気持ちで、日々過ごしています。
やりたいと思ったことを思ったときにやってほしい
戸板女子短期大学の学生の皆さんへ、お伝えしたいことが1つあります。それは、やりたいこと、夢、目標など、何でもいいので、自分がやりたいと思ったことにチャレンジすることです。
挑戦しようとする人を止める人はたくさんいますが、挑戦する人が多い環境に身を置くと、否定的な声は気にならなくなります。これは、私自身が実体験から知っています。
若いうちに挑戦できなかったことは、大人になってからではもう遅いと思うことがあります。見つからない場合は、多くの人と会話し、経験を積むことで見つけることもあるため、多くの人と話し合うことをお勧めします。そうすることで、自分の固定概念を外したり、刺激を受けたり、無形の資産を増やすことができます。
「人脈・知識・経験」といった、目に見えない資産をたくさん作り、自分のやりたいことを見つけることが重要です。私自身もまだまだ成長途中ですが、学生時代のパワーは本当に素晴らしく、エネルギッシュだと思います。だから、やる理由を探して楽しく過ごすことが重要です。
戸板女子短期大学は、学生に対するフォローやチャレンジのきっかけが充実していると思います。そのきっかけをつかんで、自己成長につなげてほしいと思います。
私自身も、これからも楽しく成長していきたいと思っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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