在学生の皆様
新コロナウイルス感染症拡大のなかで、目に見えない敵との闘いを余儀なくされ、穏やかな心でいられない状況だと思います。
中国武漢で発症したこの感染症が瞬く間に、アジア、ヨーロッパ、北米、南米と世界206か国に広がり、感染者が69万人に膨れあがったことは、グローバル化の負の副産物といえるでしょう。 この世界的な危機に瀕してどのような解決策をとることが正しいのか、世界のリーダーたちも苦境に立っています。
大学での学びは、正解のない課題に対してどのような解決策を導きだすかということを学んでいくものです。 これから私たちは、未知のウイルスだけでなく、様々な今まで経験したことがない難局に直面し、悩みながら解決策を模索することになるでしょう。 第一歩として、大学で学んだ知識から選択肢を考えベストの選択をすること、一年次に学んだICTスキルを活かして溢れる情報から真実とフェイクを選別し、人任せでなく自分で物事を判断していくことが大切だと思います。
「新型コロナ危機後は、違う世界になる」と「サピエンス全史」の著書、イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏は言っています。
あなた方が生きていく社会の景色は、働き方を含め全く変わっているかもしれません。
戸板女子短期大学では、建学の精神として「時代に適応する実学」を教育してきました。 開講が延期されており、外出を控えるこの時期に、皆さんが今まで学んだことを「次世代に求められる能力」に繋げるための構想をご自宅でじっくり考えてみることも有意義と思います。
この感染症が落ち着き、また大学で元気な皆様にお会いできる日を教職員一同心待ちにしています。
戸板女子短期大学 学長
小林千春