大丸松坂屋百貨店様「メタバースの実情と可能性」食物栄養科キャリアゼミ

川嶋 比野 教授

「大丸松坂屋百貨店様にメタバースの実情と可能性を教えていただきました」

9月17日の食物栄養科1年生後期のキャリアゼミナールでは、「㈱大丸松坂屋百貨店」より、DX推進部部長の岡崎路易(オカザキ ルイ)氏をゲスト講師にお招きし、【今後のフードビジネスにおけるメタバースの可能性】というテーマでご講演をしていただきました。

大丸・松坂屋さんは、2020年に緊急事態宣言が出たパンデミックをきっかけに、いち早く既存事業に頼らないデジタルを活用した新規事業の開発に取り組まれ、メタバースを活用した事業展開をされたトップランナーの企業様です。メタバースで仮想店舗を運営されているだけでなく、メタバースの中でのキャラクターである「3Dアバター」の販売やインフルエンサー事業も手がけていらっしゃるそうです。おしゃれで可愛いアバターの映像が流れると、学生達の目が一気に輝き出しました。実際に、現実の学校や仕事を終えると、遊びに行く感覚でメタバースに入り、お気に入りのアバターで、向こうの世界のお友達とおしゃべりをするのが日常の楽しみになっている人は年々増えているそうです。

メタバースの中では、もちろん食べたり飲んだりは出来ないのですが、オンライン飲み会のような形で楽しんだり、美味しそうな映像や3Dモデルを見て、その食品をお取り寄せするようなことは既に可能です。つまり、Eコマースの一つの手段としてメタバースは活用され始めています。
また、メタバースの良い点は、どこにいてもイベントに参加できることなので、食品企業の中には、メタバースの中で新商品のPRイベントを行ってファンを集め、楽しませるというような活用の仕方をしているところが増えてきているそうです。アバターで気軽に参加できるなら行ってみようかな・・・という気になるので、なるほどと感心しました。
また最近では、メタバースで見たり、体験したりしたものをリアルで体験しに行く「聖地巡礼」も楽しみ方の一つになっているそうで、ビジネスにおいて集客にも役立つと分かりました。
技術の進歩とユーザー数の増加により、これからメタバースは、フードビジネス業界にとっても、大きな可能性を秘めたツールになることを岡崎様に教えていただきました。

10年後には、この講演を受講した学生の一部は、メタバース内で働いているかもしれません。また、メタバースのお店を経営している人もいるかもしれません。どのようにビジネスに活用していくのかは、きっと、今学生の皆さんの世代が作り上げていくのだと思います。ぜひ視野を広く持って、自分の可能性を最大限活かして欲しいと思います。

受講した学生の感想
・とても興味深い話ばかりで楽しかったです!!
フードビジネスとメタバースの繋がりを詳しく知ることができ、考え方が少し変わりました!
・初めてメタバースというのを知り、少し興味が湧きいろいろな活用があることを知れてとても良かったです。
・メタバースを通して食を買ってもらうきっかけになっているのを知り、驚きました。実際プリンの映像をみて、買いたいと思う人は多いと思いました。貴重なお話をありがとうございました。

川嶋 比野 教授

食物栄養科
学科長

実践女子大学を卒業し、管理栄養士を取得。大学院では、里芋の粘り成分の構造や抗酸化作用について研究し、2001年に修士の学位を取得。食品総合商社で非常勤の管理栄養士として務め、レストラン等へのメニュー提案業務や惣菜商品開発を経験。その経験を活かし、専門学校や短大、4年制大学でフードコーディネート系・調理系の授業を担当する専任講師や非常勤講師となる。 2009年からは、食器の色と絵柄と美味しさの関係の研究を始め、学会へ研究発表を続け、2019年にそれらの研究結果をまとめ、実践女子大学大学院にて博士(食物栄養学)の学位を取得。2012年より戸板女子短期大学で調理・フードコーディネート系の科目担当の専任教員を始め、現在に至る。