食物栄養科かわらばんVol.40(14.11.4)2014年度ハーブゼミの活動

川嶋 比野 教授

今年度のハーブゼミはガーデン班とフードコーディネート班に分かれて行いました。
ガーデン班は、芝ファームの中央にある、ハーブとお花のガーデンの構想を立て、戸板祭を目標に完成させました。お花でハートマーク(写真1)とToitaのTマークを形作り(写真2)、アーチも立て、とても可愛いガーデンが出来上がりました(写真3)。

 

(写真1)

 

(写真2)

 

(写真3)

 

ハーブも順調に育ち、沢山のラベンダー、バジル、ローズマリー等を収穫することが出来ました。ラベンダーのつぼみを蒸留して作ったボディーウォーター、バジルの入った海老シュウマイ(写真4)、ローズマリーで香り付けしたハニーマスタードのグリルチキン、オレガノとローズマリーで作ったハーブソルトのグリルチキン(写真5)、バジルを皮に練り込んだバジル饅頭(写真6)を開発し、戸板祭で販売しました。

 

(写真4)

 

(写真5)

 

(写真6)

 

フードコーディネート班は、芝地域のお寿司屋さんとお蕎麦屋さんにハーブを使った新メニューを提案し、実際のメニューとして採用してもらうことを目標に活動しました。ただ単に美味しいだけの料理提案ではなく、そのお店の立地、客層、価格帯、店主様の希望など入念に調査することから始め、より良いお店にするためのメニュー提案を行いました。試作品を作る度に店主様と相談し、失敗と改善を繰り返して完成させました。また、器も含めてコーディネートした提案とするため、皆で合羽橋に行き、撮影用の器などを選んで購入しました。

あるお寿司屋さんには、甘海老の頭からとった出汁を使った茶碗蒸しにバジル餡をかけた料理(写真7)と穴子の白焼きにナスタチウムというカイワレのような辛味を持つ食用花を添えた料理(写真8)を提案しました。こちらは残念ながら採用となりませんでしたが、面白く新しい料理を開発出来たと思います。

 

(写真7)

 

(写真8)

 

田町駅前にある「すしかね」さんには、ハーブで香ばしく焼いた帆立をだし巻き卵で巻いた料理(写真9)と、鯛のほぐし身とハーブやみょうがを混ぜ込んだ焼おにぎりを出汁茶漬けにした料理(写真10)を提案し、採用していただきました。
学校裏の三田会館の側にある「芝その更科」さんには、揚げそばに小エビと野菜のかき揚げをのせ、大葉と山椒加えた塩出汁餡をかけた料理(写真11)を提案し、採用していただきました。

 

(写真9)

 

(写真10)

 

(写真11)

 

他の授業や課題で忙しい中、とても大変だったと思いますが、それぞれのゼミ生がとても貴重な経験が出来たと思います。

来年度はあるお店とハーブを使ったお弁当開発を行う予定です。ハーブガーデン作りやメニュー開発に興味のある方は、来年度一緒に頑張ってみませんか?

 

調理学研究室 川嶋 比野

川嶋 比野 教授

食物栄養科
学科長

実践女子大学を卒業し、管理栄養士を取得。大学院では、里芋の粘り成分の構造や抗酸化作用について研究し、2001年に修士の学位を取得。食品総合商社で非常勤の管理栄養士として務め、レストラン等へのメニュー提案業務や惣菜商品開発を経験。その経験を活かし、専門学校や短大、4年制大学でフードコーディネート系・調理系の授業を担当する専任講師や非常勤講師となる。 2009年からは、食器の色と絵柄と美味しさの関係の研究を始め、学会へ研究発表を続け、2019年にそれらの研究結果をまとめ、実践女子大学大学院にて博士(食物栄養学)の学位を取得。2012年より戸板女子短期大学で調理・フードコーディネート系の科目担当の専任教員を始め、現在に至る。