食物栄養科かわらばんVol.30 食育ゼミナール(良永・井部担当、Webゼミ)の活動を紹介します。

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食物栄養科では、2年生の希望者を対象に食育ゼミナールという選択授業が開講されています。各担当教員の掲げるテーマに従って、グループ別に毎年多方面の食育活動が繰り広げられています。今年度、食育ゼミナールの一環として専門分野の異なる良永と井部が‘コラボ’し、webを用いた食育活動の新しい試みを行っていますのでご紹介したいと思います。

 

最近新しい情報通信技術が社会に浸透してきました。皆さんの中にも、テレビ電話のように音声と映像で同時に通信した経験のある方は多いと思います。私たちは、Web会議システムというインターネットの手段を用いることで、離れた場所にいる方々にどのように栄養指導を行うことができるか、調査研究を始めようとしています。

 

現在、国内でも多くのWeb会議システムが製品化されていますが、私たちが採用しているシステムは、OpenMeetingsというソフトウェアです。会議への参加者は、パソコン画面上のURLをクリックすることによりシステムのサーバーにログインすることができ、Webカメラとヘッドセットがあれば簡単に利用することができます。

 

すでに、中京学院大学の鈴木舞子先生は、三重中京大学の岡田良明先生の協力を受けてこのWeb会議システムOpenMeetingsを用いた食育活動を授業の中で試みておられます。このたび鈴木先生から戸板女子短期大学の私たちをパートナーにと誘っていただきました。

 

このWeb会議システムでは、複数の人たちが同時に会議に参加でき、カメラで映し出される自分自身の顔とともに、参加者全員の表情をパソコンの同一画面上で見ることができます。

 

このWeb会議システムの大きな特徴の一つに、資料となる画像やファイルを共有できることがあげられます。手で配布した資料と同じように、パソコン上で会議の参加者全員がリアルタイムで閲覧することが可能です。
さらに、画面上に図や線などをフリーハンドで描いたりテキストを入力したりできるホワイトボード機能も備わっています。この機能を用いることによって、先の資料をホワイトボード上で共有する際に、参加者の誰もが直接ポインターで指し示したり自由に書込みをすることも可能です。

 

私たちのゼミでは、このWeb会議システムを導入することによって、栄養士や管理栄養士が求められる栄養指導や栄養サポートを遠く離れた方に提供できないだろうかと考えました。

 

皆さんは、遠隔医療という言葉を聞いたことがありますか。
遠隔医療には大きく二つのタイプがあります。ひとつは、診察する医師が専門医にX線写真などの画像を送信して画像による診断を依頼するようなタイプ(Doctor to Doctor; DtoD)、もうひとつは過疎地の在宅の患者さんに対する訪問診療をテレビ電話等を用いて補うようなタイプ(Doctor to Patient; DtoP)です(日本遠隔医療学会ホームページより)。私たちは、後者のDtoPと同様に、Web会議を用いることで遠隔栄養指導を実現できればと考えます。

 

Webを用いた栄養指導はパソコン操作の慣れが必要ですが、移動のための時間と費用がかかりませんし、指導時間と場所の調整も比較的簡単です。また、Web会議には複数の人たちが同時に参加できます。そのため、栄養指導を受ける患者さんと一緒に、調理を行うご家族にも加わっていただき、ご家族に調理のレシピをお見せする、というようなことも可能です。だれもが手軽にパソコンを持つ時代となり、私たちは、このWeb会議システムが遠隔栄養指導のほかに栄養士・管理栄養士間における情報交換の手段としても将来性があると感じています。

 

8月に入り、やっと夏休みが始まりました。ゼミ生たちはこの休み中に遠隔栄養指導のための資料・媒体を作成する予定です。そしていよいよ秋からは、中京学院大学短期大学部の学生さんたちにも協力していただき遠隔栄養指導を試行します。

 

模擬患者となって下さる中京学院大学の学生さんたちとは、すでに春からWeb会議でコミュニケーションをとっているため、戸板のゼミ生たちがどんな模擬栄養指導を実践するのかみんな楽しみにしています。10月26・27日の来る戸板祭では、学内にてWeb会議OpenMeetingsを体験するコーナーを設ける予定です。皆さん、お誘いあわせの上お越しください。

 

 

 

担当 食物栄養科 教授 食品衛生学研究室  良永裕子

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