食育通信 Vol.14 (11.08.22)
【蕎麦レシピ】
今回は、7月9日に開講した「手打ち蕎麦教室」の中で、職人さんが作ってくださった蕎麦レシピを紹介します。
食物栄養科1年生の選択科目「食育演習」では様々な体験学習を取り入れています。今年度も、芝青色申告会青年部の蕎麦打ち職人さんたちを講師としてお迎えし、「蕎麦打ち教室」を開講しました。
昨年同様に、青木さんから仕入れた挽きたての蕎麦粉を使って、自分で打った蕎麦は、蕎麦包丁で丁寧に切り分け、笊そばにしていただきました。なかなか職人さんのように長く細い蕎麦に仕上げるのは、大変でした。
さて、今年は職人さんが、蕎麦粉を使った様々なレシピを紹介してくださいました。まずは、巻き寿司です。巻き寿司というと太巻きや干瓢巻きなど酢飯を使ったお寿司ですが、酢飯の代わりに日本蕎麦を使って太巻きや納豆巻きです。納豆と蕎麦の和風素材がベストマッチでした。
そして、ガレット(galette)です。ガレットは、フランスの家庭料理ですが、蕎麦粉・水・塩などを混ぜて寝かせた生地を平鍋で薄く円形に延ばして焼き、そこにチーズや卵やサラダなどを包んで食する伝統的なブルターニュ地方の郷土料理です。石で焼いたことからフランス語で小石(galette)にちなんで根付けられたという通説です。やせた土地でも栽培できる蕎麦は、小麦の変わりに重宝されていたようです。今回は、生ハム、チーズ、アボカドを具材に包まれたガレットをいただきました。ピザとは違った塩味が効いて、モチモチとした食感が心憎い絶妙な弾力でした。
それから、蕎麦団子です。そば粉を練って、丸めて軽くフライパンで焼いて、蕎麦の風味が感じられる素朴なお団子でした。そのほか、そば切りや蕎麦しるこ、蕎麦ゼリーなど、蕎麦粉をさまざまにアレンジ料理も作っていただきました。
このように、蕎麦はとても便利な食材です。世界でも、イタリアの蕎麦パスタ(ピッツオッケリ)や揚げもの(シャット)、ロシアのパンケーキ(ブルヌイ)、ネパールの蕎麦がき(ディロ)など、蕎麦は大人気です。
さて、「蕎麦打ち教室」のスペシャル料理は「天ぷら」です。今回も屋形船を営んでいらっしゃる鈴木さんが天ぷらの極意を伝授してくださいました。
今年度も「蕎麦打ち講座」は、心身ともに満腹で、学生たちの腹鼓が聞こえてきそうでしたが、江戸のファーストフードとして愛される蕎麦を堪能することができました。
今年の戸板祭(平成23年11月12/13日)では、昨年同様、蕎麦弁当を販売する予定です。どうぞ、新そばの風味を楽しみにしてください!
【 調理学研究室 佐藤幸子 】