2005年度7月号 「 鱧(はも) !」
【はも?】・・・・・・容姿から名づけられた?
「食(は)む」、「咬(は)む」顎が大きく細長く、歯が非常に発達している。
鱧は、ハモ科ハモ属の回遊魚で、北海道を除く、日本各地の沿岸、黄海、東シナ海、インド洋、西大西洋の暖かい海に広く分布している。
【旬】・・・・・・梅雨の水を飲んで旨くなる?
鱧は、6月から出回り、7月にかけて旬になり、9月位までが食べ頃
この時期の鱧は、脂がのり骨が柔らかくなり、皮が薄くなる。
京都(祇園祭)、大阪(天神祭)祭りに鱧をご馳走する習慣がうまれた。
「祭りに鱧」、「松茸鱧」と呼び鱧は、珍重されています。
【栄養】・・・・・意外な栄養
(1)さっぱり・こってりの秘密
タンパク質が豊富で適度に脂肪も含む
(2)隠れたカルシウムの供給源
秘密は、鱧の骨切りにあり!
鱧は、頭から尾にかけて1~2mmの小骨が無数にある。
そこで骨切りを行う。
小骨を切ることで小骨(カルシウムの供給源)を無理なく食べられる
鱧は、魚の切り身としてはたいへんカルシウムが多い。
(3)皮の旨味
コンドロイチンを含み、軟骨や靭帯や関節の結合組織を丈夫にする。
また、肌や髪をみずみずしく保つ・・・・美容に効果的?
【秘技】・・・・・素晴らしき職人技
昔、鮮魚が手にはいりにくかった京都では、生命力の強い鱧が珍重された。
少しの水分があればかなり長時間生き続ける生命力!
しかし、歯が鋭く、骨が多く硬い・・・そのままでは煮てもやいても食べられない。
そこで鱧を美味しく食べる技術が発達
小骨を切る!一寸(3cm)にシャリ・シャリと25筋の包丁を入れる
・・・職人の技!!
骨切りした鱧を一口大に切り落とし、煮湯にくぐらせ、
氷水に放つ椀に盛れば
・・・牡丹鱧
さっぱりしてコクのある鱧をいただきましょう!
【 食品加工学研究室 谷口裕信 】