2004年度1月号 「お正月料理に使った黒豆が残っていませんか。」
黒豆は大豆の一種で、タンパク質を多量に含み、サポニン、レシチン、ビタミンE、オリゴ糖、アントシアニン(黒い種皮の部分に含まれるポリフェノー ルの一種です)など、脂質、糖質、タンパク質、ビタミン、無機質以外の様々な植物独自の栄養機能成分(植物性化学物質:ファイトケミカルズ)も豊富に含ま れる健康食です。
ファイトケミカルズの機能
サポニン | 肝機能障害の改善にも有効であるとされています。また、脂質の合成・吸収の抑制作用、分解促進作用があり、肥満防止に有効であることが確認されています。 |
レシチン | 血液中のコレステロールを低下させる働きがあります。また、レシチンは腸からのビタミンAや肝臓からのビタミンB1の吸収を助け、また、肝臓細胞を新しく入れ替えるのにも消費されています。 |
ビタミンE | ビタミンEは強い抗酸化能力をもち、過酸化脂質がつくられるのを抑えます。ビタミンEが自律神経に働きかけることで血行をさせる効果があるといわれています。肩こりや冷え性が気になる方には重要です。 |
オリゴ糖 | ラフィノース、スタキオースなどは、大豆に特徴的なオリゴ糖です。腸内のビフィズス菌などの有用菌類を特異的に増やし、便通の改善効果があることが知られています。 |
アントシアニン | 抗酸化物質ポリフェノールの一種で、視神経の働きを支えているロドプシンという色素の再合成を促して、疲れ眼を改善し、視力を向上させます。その他に、活性酸素の生成を抑制し、動脈硬化や血栓症を防ぎ、虚血性心疾患や脳血管障害の予防効果があると考えられています。 |
お正月料理としてだけでなく、一年を通して黒豆を食べてみてください。
【 栄養学研究室 渡邊浩幸 】