2004年度8月号 「暑い夏を乗り切ろう!─食事の取り方を考えよう」
夏は気温が高く、食欲が減退してしまう人も少なくありません。
そのような人たちでも、なんとか口にすることができる食べ物として、そうめんがあります。
そうめんを主食として、様々なおかずと一緒に食事をする人は問題ありませんが、食欲が減退してそうめんしか食べられなくなってしまう人は、弱った体を回復させるにはちょっと心配です。
なぜ心配なのか、少し栄養学の知識を利用して考えてみましょう。
なぜ、我々が食事をするのか考えたことはありますか?
食べ物に何が含まれているか考えたことはありますか?
人は、食事をしなければ生きていけません。
それは、食べ物の中に人が生きて行くのに必要な物質が含まれているからです。
その物質を栄養素といいます。栄養素には5つの種類があって、糖質・タンパク質・脂質・ビタミン・無機質があります。
人は、この5つの栄養素をバランス良く食べて、健康的に生きています。
そうめんに含まれている栄養素のうち約8割が糖質です。
さらに、ゆでたそうめんの場合には、含まれている物質の大半は水で(約7割)、残り約3割の大半が糖質になります。
つまり、そうめんだけを食べる生活をすると、5つある栄養素のうち糖質ばかり多く食べることになってしまいます。
上の段落に書いたように、人は5つの栄養素をバランス良く食べることによって、健康な生活をしています。
糖質だけに偏った食事では、健康を維持するのが難しくなってしまいます。
夏の暑さに打ち勝つには、食事を考えましょう!
そうめんだけではなく、一緒に豆腐を食べれば、タンパク質を食べる量が増えますし、デザートに果物を食べれば、ビタミンや無機質を補えます。
食欲がなくなっているときには、大変なことかもしれませんが、いろいろなものを食べて、暑さに打ち勝ちましょう!
【 食品機能学研究室 小築康弘 】