港区Kissポート財団 健康増進事業「港区民のための生涯学習講座」を開催しました

井部 奈生子 准教授

港区民の健康増進活動の一つとしてKissポート財団 広報・事業推進課が企画した「生活習慣を見直し食事からフレイル予防講座」を令和5年2月15日に戸板女子短期大学で井部准教授が実施しました。

フレイルとは、加齢によって筋力や活動が低下している状態です。

高齢者に多く見られ、身体機能が低下することで、日常生活動作(ADL)が制限され、認知機能や精神的な状態も悪化することがあります。フレイルの状態にある高齢者は、転倒や入院、要介護のリスクが高まるため、早期に予防することが大切です。

フレイルの診断基準は複数ありますが、主に以下のような項目が含まれます。

  1. 筋力の低下
  2. 疲れやすさ(身体的・精神的疲労感)
  3. 活動制限(身体的、認知的活動制限)
  4. 身体機能の低下(歩行速度の低下、バランスの悪化など)

健常と要介護の中間状態で、要介護になるリスクは高いですが、適切なケアによって健常な状態に戻ることが可能だと言われていますし、予防も大切です。健康に過ごすためには、日常の生活が大きく関わります。

フレイル予防には、以下のような方法があります。

  1. 運動:身体を動かすことで筋力やバランスを改善し、フレイル予防につながります。
  2. 栄養管理:適切な栄養バランスを保つことで、筋肉や骨の健康を維持し、フレイル予防につながります。
  3. 睡眠の改善:睡眠不足や質の悪い睡眠は、フレイルリスクを高めるため、十分な睡眠時間と質の向上を目指すことが重要です。
  4. 社会的活動の継続:社会的交流や趣味活動を継続することで、ストレスの軽減や気分の向上、認知機能の維持につながります。

これらの方法を取り入れ、早期にフレイル予防に取り組むことが、高齢者の健康寿命を延ばすために重要です。

今回は、港区にお住まいの方を戸板女子短期大学にお招きし、栄養面のポイントとして3つを挙げ講義を行いました。

1.栄養バランスを心がける
2.食事は1日3食
3.主食・主菜・副菜をそろえて、いろいろな種類の食品を食べる

 

調理経験の少ない方も簡単、経済的に、しっかり栄養が摂れるレシピを紹介しつつ、フレイル予防の食事のポイントを確認しました。

新型コロナウィルス感染症対策として十分な人と人との間隔をとるため、調理中はモニターに映した映像を見ていただきましたが、調理中の香りは楽しんでいただけました。中でも、特に鯖缶とチーズの焼き春巻きが好評でした。

紹介したレシピの中から、4品を作りながら説明しました。

作った4品は、鯖缶とチーズの焼き・厚揚げマーボー丼・キャベツとパインのヨーグルトマヨネーズ和え・フルーツヨーグルトスムージーです。

試食をしていただき、食塩相当量の説明をしました。参加者の方は、普段の食事で食塩相当量を意識されている方が多く、薄味を心掛けてらっしゃいました。「おいしい!」と満足していただけました。

今回の港区民講座で紹介した一部のレシピは、食物栄養科1年 後学期に開講されている「給食経営管理演習」の授業内で、戸板女子短期大学の学生が実際に考案したものです。

授業内でプレゼンテーション発表を行い、評価の高かったレシピを紹介しました。

戸板女子短期大学では、これまでも港区地域の方の健康増進活動に関わってきましたが、今後も継続していきたいと考えています。

 

食物栄養科教員 井部奈生子

本件に関するお問い合わせ先

戸板女子短期大学 入試・広報部 澁谷まで
TEL ​03-3451-8383

井部 奈生子 准教授

食物栄養科

「食」に携わる者として、食を提供するだけでなく、食の心をも提供したいと思っています。理論のうえに立って、具体的にどのようなものを、どのくらい、どのようにして食べてもらうのか、食事計画を通して一緒に考えてみましょう。