戸板女子短期大学国際コミュニケーション学科でエアラインモデル・エアラインゼミを担当している講師の有田です。
エアラインゼミでは、ユニバーサル・サービスの実現に向けた学びに力をいれています。
きっかけとなったのは、「身体的な障がいを持つ利用者に対する公共交通機関のサービスは改善されているけれど、知的障がいを持つ利用者にとって、空の旅はまだ縁遠い」というお声です。
本学のエアラインゼミでは、航空業界を目指す学生が、今のうちから多様性に慣れ親しみ、「全ての方に身近な空」の実現のために何ができるのか、考えてもらうプログラムを作成しています。
今年度も、知的障がいをもつ児童や学生が放課後に通う「放課後等デイサービス ScatKids」様ご協力のもと、ユニバーサル・サービスに関する講演をしていただいたり、夏期インターン、そして冬期休暇期間には「エアラインカフェ」をScatKidsにて実施するボランティアを担当させていただきました。
「エアラインカフェ」はScatKidsの施設にて、グランドスタッフや客室乗務員を模した学生が、チェックイン手続きや、機内サービスを実演し楽しんでいただいていますが、ScatKidsの吉田様と、イベントを更にステップアップさせたいと、かねてから画策していました。
「いつか、児童を機体工場見学に連れて行って、戸板の学生がその手伝いができたらいいね」
そして、ついに今年、日本航空の様々な部署の方々のご協力をいただき、イベントが実現しました。
JALスカイミュージアムのご担当者様とScatKidsの職員の方々とは、一年がかりで打ち合わせを重ねました。
また、学生達も、このイベントに向けて児童の皆様と少しでも信頼が構築できるように…と、夏から触れ合いを重ねてきました。
当日は、大勢のJAL職員の皆様がフルサポートをしてくださり、きめ細やかな心配りを随所で感じる一日となりました。
ScatKids小田島様から「飛行機が縁遠い児童たちも多い」とお伺いしていたため、今回JALスカイミュージアムを通して飛行機について知り、楽しむお手伝いをしたいと思い参加させていただきました。保護者様と児童たちと一緒に昼食を食べた際には、男の子が何度もこっちを見て笑いかけてくれたり、女の子がたくさんご飯を食べている姿を見てこちらまで笑顔になりました。また、保護者の方が羽田空港にまだ国際線がなかった頃のお話をして下さり、保護者の方とも児童とも楽しく会話をして過ごさせていただきました。
何かお手伝いさせていただけることはないかと思い、実際の客室乗務員やパイロットの制服を着ることができる体験ブースに足を運んだ際は、なかなか着る機会がない制服に嬉しさを感じながら、キリッとしたお顔でカメラを向けられている児童の皆様の姿を拝見することができました。「よく似合っているな」と感じるとともに、空のお仕事の魅力は自分だけではなく沢山の人に伝わるんだなと感じました。
格納庫で実際に飛行機を見た際には、児童たちもグランドスタッフの方のお話に耳を傾け、飛行機に興味津々でした。グランドスタッフの方が「エンジンは飛行機のどこにあると思う?」と質問した際には、男の子が「羽の下の部分」と答えていて、児童たちの飛行機が大好きな一面も見ることが出来ました。
JALスカイミュージアムを通して、児童たち、保護者様と一緒に楽しく飛行機について学びを深めることができ、大変嬉しく思います。航空業界に入社した際には、障がいを持つ方、サポートする方にも気兼ねなくご旅行して頂けるような快適な環境作りに尽力して参ります。
改めまして、このような貴重な機会をくださった日本航空株式会社の皆様、ScatKidsの職員の皆様、またご一緒させていただいた児童やそのご家族の皆様、誠にありがとうございました。