戸板女子短期大学 国際コミュニケーション学科 エアラインゼミでは、2022年11月に
スキャットキッズ株式会社の小田島様・吉田様をお招きし「ユニバーサルな対応」を学ぶ授業を行いました。
▼【前回の記事はコチラから】
そこでの学びを知識にとどまらせることなく、
「今の私たちに何ができるのか考え行動する」ことでより自分事として社会に起こる問題を捉えてもらいたいという思いがあり
2022年12月に3日間のボランティアをスキャットキッズで受け入れていただくことができました。
戸板女子短期大学は、12月26日まで授業があったため、12月27日からのボランティア開始です。
▲スキャットキッズの前にて
スキャットキッズの皆様が”戸板女子短期大学”という旗を作って、駅で待っていてくれました!(感動しました、有難うございます)
学生は、職員の皆様に指示をいただきながら
発達障がいを持つ児童の皆様と一緒にお昼ご飯を食べ、
室内で遊んだり、勉強をみたり、
公園に散歩へ出かけたり、様々なことをさせていただきます。
夕方には送迎バスに同乗し、親御様のもとへ児童の皆様をお届けする場面にも立ち会いました。
以下は参加した学生の感想になります。
国際コミュニケーション学科 1年生 加藤さん
11月の講義を受け、「生活力を育む療育」という言葉に大変感銘を受けました。
私自身、今まで障がいを持つ方への手助けというと「少しでも生活のしやすいように手助けをする」というイメージがありました。ですがスキャットキッズの先生方は、子供たちが困った時に、選択肢を提示して選びやすくしたり、ヒントを与えて答えを出すサポートをされる等、児童たちの生活力を育むことに力を入れられている事に驚きました。
それと同時に、私自身の障がいへの知識・障がいと共に生活をする人々への知識が少ないことを痛感致しました。まだ広く認識されていない事や、私たちが身につけなければいけない常識が多くあるのだと、感じました。
発達障がいを持つ児童と接する機会を持つことは今までできていなかったので、私は三日間のボランティアを通し、2つの目標をたてました。
1つは、児童が困った時に「頼れる存在」が近くにいる事を感じ、安心してもらう事です。
2つ目は、障がい、そして、障がいを持つ方やその周りの方の生活への知識を深め思いを感じ取ることです。
私はこのボランティアに参加し、見守るという事の重要性を学びました。
中学一年生の男の子とおやつを一緒に食べた際、みかんの皮をむくのにとても時間がかかっていました。私は、代わりにむいてあげるべきか考えました。その時、小田島先生が通りかかり、「その子は時間がかかるけど、見守ってあげてね」と声をかけて下さりました。私はその言葉の通り、その子がみかんを食べ終えるまで、少しづつ声をかけながら見守ることに致しました。最初は私の言葉に反応をしてくれませんでした。ですが、食べ終えた頃には「美味しかったです。ごちそうさまでした。」と、元気にこちらを見て話しかけてくれました。
その後、私は「根気よく見守る」という点にこだわり、見守りながら少しづつ声をかけ、困った表情をしていたら「どうしたの」と軽く手助けをするようにしました。 中学生の児童2人と宿題をした際も、勉強を教えるのではなく、見守りつつ応援をするようにしました。少しづつ、「頑張れ」や「出来てるよ、大丈夫だよ」等の声掛けをしました。すると、最初はあまり反応を示してくれなかったのですが、宿題を終える事には、「出来たから見て確認してほしい」と声をかけてくれたり、「こんなに終わったよ」と報告をしてくれる等、コミュニケーションをとってくれるようになりました。帰る際には、「ありがとうございました」とお礼を伝えにきてくれて、とても嬉しかったです。
ボランティアに参加する以前は、障がいを持つ方に対しては、手助けをすることが当たり前なのだと考えていました。ですがスキャットキッズの職員の皆様は「見守る」という事を重要視されており、私も実際に子供たちと触れ合ってみると、児童たちは様々な事を自分の力で成し遂げる事が出来ると知りました。
なんでも手伝うのではなく、温かく見守り、何か困った事があれば手を差し伸べる事が、子供たちにとってより良い養育なのであり、優しさなのだと感じました。
私は今「すぐに助けるのではなく、根気よく見守る」接し方が、障がいを持つ大人の方にも共通して大切だと感じています。今後、街中や電車でヘルプマークを持つ人を見つけた際や、障がいをお持ちの方だと感じた際には、すぐに助けるのではなく、まずは見守りながら、自分のするべきことはあるかと考えるようにしてまいります。また、今回のボランティアを通し、私自身も世の中も、知識があまりにも足りていないと感じました。更に障がいについて、また、それを持ち生きている人々のことについて、知識と理解を深めて参りたいです。
国際コミュニケーション学科 1年生 中村さん
私は常に相手に対して「安心感」を与えられるような言葉遣いや行動を意識しています。
昔から障害を持つ子たちと関わりがあり、お話ししたり遊んだりという機会が多かったものの、何か喜んでもらえるような大きな活動はしてこなかったため、このボランティアを通して全員に「楽しかった!」と笑顔になってもらえるように、そして人と関わる事の喜びを知ってもらいたいと思い参加しました。
ボランティアでは、「怪我がないように常に周りの状況を見ること」「してほしいことなどを察知すること」「柔らかい言葉遣いや表情で安心感を与えること」の3つを目標にしました。子どもたちと接する際は安心感を与えるため「柔らかい言葉・表情・行動」で接する事にこだわりました。
初めて会った際に子供たちは勿論緊張していますし、自分達が怖い顔をしていたら子供たちも怖がってしまうと思ったので「〇〇ちゃん、こんにちは〜」と笑顔で名前を呼ぶ事を心がけました。すると子どもたちも自然と話しかけてくれるようになりました。
また、職員の方が掃除をしていた際に、掃除機が気になって近くに行きたがってしまっていた子がいました。直接「掃除の邪魔になっちゃうよ」「ここは入っちゃダメだよ」と伝えずに、「向こうに絵本があるから見に行ってみようか」「あっちでお姉さんと遊ぼっか」と柔らかい言い回しでお話をしました。
ボランティアでは、子どもたち自身に何かを挑戦させる事の難しさを痛感しました。最初はなんでもかんでも手伝ってしまい、子どもたちに挑戦する機会を与える事ができませんでした。そうなってしまっては成長に繋がりませんし、何よりこの先苦労してしまうと思ったため、「これ頑張ってみようか」と進めることを意識しました。
また、一人一人に合った対応をする事の難しさを感じました。お話が流暢な子やそうでない子、活発な子、そうでない子などそれぞれ特性が違う中で話し方を変えてみたりその子に合った遊びをしたりと試行錯誤を重ねました。
その中で、「その子自身が普段何をしているか、何が好きなのか」を把握するための観察や感知が重要だと感じました。
一人一人に合った対応をするとともに、柔らかい「言葉遣い・表情・行動」を心がけ、誰にでも「安心感」を与えられるようなサービスを行いたいと思います。
国際コミュニケーション学科 1年生 中島さん
私は、常に「ご縁」を大事にしています。大学やアルバイトで出会う人、課外活動の募集など、全ては自分にとっての大切な「チャンス」だと考えています。スキャットキッズでのボランティアができるとお聞きした時も、障がいを持った子供達と遊び、コミュニケーションをとったことがない私にとって貴重な機会になると感じ、参加させていただきました。
ボランティアでは、笑顔が生まれるようなコミュニケーションが取れるように意識しました。また、相手に楽しんでもらいたかったので、自分自身が楽しみ、その気持ちを表現することから始めました。
自分の気持ちを言葉にできない男の子とおもちゃを広げて遊んだ後「もうお片付けの時間だから片付けようね、これもここに入れよう!」と一緒に片づけをしたことがありました。上手に片づけられたので、頭を撫でて「すごいね!」伝えたところ、とても嬉しそうな表情で、私の頭を撫で返してくれました。言葉のキャッチボールはなくても、目線を合わせ、小さなことでも語り掛けてみることで、”お互いの気持ちを感じ取ることができる”喜びを感じました。
もともと私はどんな人とでも会話をすることが好きなのですが、この経験を通して、不安を感じる相手には、安心してもらえるように細かく言葉で伝えたり、うまく気持ちを掴み取れない時には、負担にならない接し方を工夫して、聞いてさしあげるのが1番だと感じました。
航空関係の仕事に就く事が出来ましたら、障がいを持った方々に、旅行をもっと身近にできるような環境にしていけるよう日々勉強し、実現させたいです。
国際コミュニケーション学科 1年生 寺川さん
私は「今目の前にある環境や人とのめぐり合いはキセキ」だと考え、真摯に向き合うよう努めています。私自身、障がいをお持ちの方への接し方や知識がまだまだ足りないと感じていたため、ボランティアを通じて少しでも視野を広げることが出来ればと思い参加を決めました。
子供たちと接する際は “相手の心の感度” を意識し、どのような会話に特に興味を示すのか、どのおもちゃを喜んで使っているのかなど注意深く観るように努めました。よく一緒に過ごした男の子は自分の気持ちを言葉で表現できない男の子でしたが、音遊びが好きな様子でしたので、音の鳴る絵本に合わせて私が歌うと笑顔を見せてくれました。また、アンパンマンのおもちゃも振ると音が出たのでマラカスのように振って見せると、他のキャラクターを握って笑顔で音を出してみせてくれました。自分の中でお一人お一人への接し方を分析していく事で、次第に目を合わせてくれたり、「遊ぼう」と手を引いて誘ってくれる子を増やすことが出来ました。最終日には一人の女の子が「明日もいる?」と質問してくれたので、「今日が最終日だけど、また会おうね!」と言うと、残念そうな表情のあとニッコリ笑顔で「うん!!」と答えてもらえて、とても嬉しかったです。
また、常に安全を意識することの大変さや重要さも学びました。公園へ外遊びに出掛ける際に、色んな物が気になってなかなか前を見ながら歩いてくれない子には、「ちゃんと前見て歩いてくださ〜い!電柱に当たっちゃいますよー??」と言うと、しっかり前を見ながら歩いてくれました。また、送迎バスに同乗させていただいた際、持物を投げようとしたり、隣に座った子が他の子の髪の毛を引っ張ったので、「綺麗な夕焼けだね」と声を掛けると、とても嬉しそうに外を眺めてくれました。気を張っていないといけない事だらけではありましたが、やはり何をするにも楽しそうな子供達の表情を見ると、幸せな気分になりました。
この経験を活かして、今まで以上に人との関わりを大切に、障がいを持った方やヘルプマークを持った方、車椅子に乗られている方、何か困っている方を見た際にはもっと積極的にお声掛け、行動をし、今の世の中住みずらいと感じている人が少しでも肩の荷を降ろせるようにしていきたいと大変感じました。
次の記事では、ボランティアに参加させていただいたお礼として行った「エアラインカフェ」についてリポートします!
国際コミュニケーション学科
有田りな