ファッションデザイン論(1年生)担当の大滝です。
授業のハイライトは、JILL by JILL STUARTのメインデザイナーであり、私が株式会社TSI のグループ会社社長時代に面接・採用しデザイナーになるための特訓をした栗原さんの講演でした。(世界初の取り組みです!)
栗原さんの自己紹介とプロフィールから始まり、私とのトークショー形式で進行しました。栗原さんの実体験を交えたデザインワークの違い、デザインからサンプルに至るプロセスの説明は、学生たちにとって非常に有意義な学びの機会となりました。
ゲスト講演: 栗原さんによる特別セッション
栗原さんから、PINKY GIRLS とJILL by JILL STUARTのデザインワークの違いであるとか、実際の『デザイナーのお仕事とは?』と題してJILL by JILL STUARTでのデザインからサンプルに至るまでの流れを自身の資料を使用しながら説明して頂きました。
またデザインのワークフローや実際のデザインワーク以外でデザイナーとして必要な情報収集やセールスミーティングなどの会社での業務内容のお話しも頂きました。
ファッションデザイン論 最優秀学生発表
次に、優秀学生賞の発表です。
昨年度のファッションデザイン論はNYのジル・スチュアート女史に向けてデザイン提案を行いましたが、今年度のファッションデザイン論では新たな挑戦としてかつて私がプロデュースした PINKY GIRLSというヤングカジュアルブランドに向けたデザイン提案となりました。
こちらのブランドは現在クローズしていますが、Y2Kブームを背景にこのブランドが再デビューする場合のデザイン提案を学生たちに行ってもらいました。
ブランドのコンセプト理解とターゲットユーザーのペルソナ設定を重視し、『2024年春のデザイン提案』というテーマで期末課題を展開しました。
最優秀な学生1名だけが選ばれる栄誉ある賞となります。
『山本さんです!』
栗原さんからは、『素材の組み合わせ方がよく考えられている』『デザイン展開では同素材で少しずつ違うターゲットをイメージしてデザインされている』『それによってクロスコーディネートを組む時に3体とも少し違ったターゲットを狙えるようになっていてとても良い!』とコメントを頂き、改善することがないほどよく考えられているとの大好評を頂きました。
学生達には今回の課題や講演で学んだことを聞いてみました。
色んな項目でピンキーガールズと比較しているのが印象的で学びになった。特にターゲットの違いでデザインする心がけが違う、というのが印象に残っている。素材選定を拘る、ターゲットの年齢やライフスタイルが違い、そのため価格とクオリティのバランス感が違うなど、テイストは同じでもどこか対照なイメージなのはそのためかーと納得した。
トータルコーディネートを提案するうえで素材の落ち感や質感がマッチしているか、また1つの素材でボトムスだけを作るのではなくジャケットも作るなど1つのカテゴリに囚われないことが重要だと感じました。 また、同じカテゴリのアイテムを作る時に1つはミニ丈の可愛い感じのものをもう1つは大人っぽい感じのものを作るなどテイストの違うものを作りターゲット層を少し広めるということも重要。 栗原さんの場合、デザインを描くうえでネタが尽きても「上品さ」という絶対に入れたいブレないポイントがあるというのが大事なのだと思いました。
また、こういった感想もありました。
大滝先生が授業で言っていたことがたくさん出てきて、重要なことだと学んだ。また、素材で軽い素材や重い素材など全身でバランスを考えるというのが勉強になった。 自分が普段使っている洋服をデザインしている人から話を聞くことができるというのが改めてすごいと思った。
デザイナーは1人で黙々とデザインを考えていると思っていたけれど、案外コミュニケーション力が必要になり、他の部署との連携がアイデアを採用される大きなポイントだと初めて知りました。 やはりいろんなデザインを書くためには、どんどん外に出て刺激を自分から貰いに行って、新たなデザインを考えていくという大変だけれど、やりがいしかない仕事だと思いました。
この産学企画は来年できるかはわかりませんが、やはり授業での学びだけではなく、実際のファッションデザイナーから直接お話を聞くということが学生達の刺激になったようです。
来年は栗原さんの都合が許せばJILL by JILL STUARTへのデザイン提案なんてやってみたいですね。
栗原さん、お忙しい中本当に有難うございました!
これからも大滝クラスの卒業生としてますます頑張ってくださいね。
服飾芸術科 大滝 秀一講師