韓国コスメの正規代理店である韓国高麗人蔘社の李圭敏氏を講師に迎えて「日本市場における韓国コスメの流通」というテーマで講義をしていただきました。
韓国コスメの流通
若い世代を中心に支持を集める韓国コスメが、日本の店舗に並び消費者の手に届くまでの流れを詳しく教えていただきました。
正規代理店とは
販売元である企業の代わりに商品の販売や取引を行う事業者のことです。韓国コスメは、日本に輸入されると、韓国高麗人蔘社のような正規代理店を経由して小売業の店舗（プラザやロフト等）に並びます。
正規代理店の仕事
韓国で販売している商品の中から、日本で販売するアイテムを厳選します。日本ではどのような色が人気で、どのような商品がSNSで話題になっているのか等を踏まえて輸入する商品が選ばれます。日本で海外の商品を販売するには必ず日本語による表記が必要になるため、韓国語版の商品に日本語表記のシールを貼ったり、商品によっては生産段階から日本語バージョンを作るケースもあります。また、商品の特徴、社名、価格、店舗のイメージを左右する什器などについて詳しく説明した規定書の作成も正規代理店の仕事です。
国内の店舗に商品を展開するまでの流れ：問屋の役目
正規代理店が仕入れた商品は、まず「問屋」に納品され、そこから全国の小売業の店舗に届けられます。問屋とは、日本全国に支店を持ち、営業の代行から商品の物流までの業務を担う取次業者のことをいいます。
問屋があることで、メーカーや代理店は商品を問屋の倉庫に一括で納品することができ、一店舗ごとに配送するコストが抑えることができます。また色々なブランドをまとめて納品できるというメリットがあります。
消費者が直接関わる機会はほとんどないため身近な存在ではありませんが、様々な種類の商品を小売業の店舗で購入できるのは問屋の存在が大きいのです。
注目のコスメブランド
「韓国コスメがどのように日本の消費者の手に届けられるのか」理解をしたところで、李氏は今後注目のブランドと商品をご紹介いただきました。
★ロムアンド(rom&nd)
メイクアップアーティスト兼ユーチューバーのミン・セロンがプロデュースしたブランド。主力商品はリップティント中心としたメイク全体
★nuse(ヌーズ)
2023年に誕生したロムアンド(rom&nd)姉妹「姉」ブランド。rom&nd商品をベースとし成分に拘りを持っスキンケアメイクブランド
★WAKEMAKE（ウェイクメイク）
ベースからネイルまで様々なコスメを展開。2024年から韓国メイク売り上げNo.1
★KUNDAL（クンダル）
頭皮や髪のpHバランスを整えるノンシリコンシャンプーが有名。日本では「香水シャンプー」と呼ばれ、香りのラインナップが豊富
★オリーブヤング
コスメをはじめ健康食品や飲料などを販売する韓国初のヘルス＆ビューティストア。売上、市場占有率、会員数、すべて国内No.1
クイズタイム
講義の途中「一休み」と称し、李氏は学生たちに韓国コスメに関するクイズを出題しました。正解を当てるとスペシャルなプレゼント(韓国コスメ)がもらえる特典付きで、学生たちは意欲的に参加していました。
因みに、出題されたクイズはこちらです。
Q1.韓国高麗人蔘社で正規代理店として取り扱っているブランドは？(3つ以上)
Ans. rom&nd(ロムアンド)、nuse(ヌーズ)、freshian(フレシアン)、Dear, Klairs(クレアス)、HINCE（ヒンス）、KUNDAL（クンダル）、WAKEMAKE（ウェイクメイク）、banila co.(バニラコ）など
Q2.ROM&NDのお姉さんブランドは？
Ans. nuse(ヌーズ)
Q3.EXPとMFGはどういう意味？
Ans. EXP＝Expiry date（使用期限）、MFG＝Manufacturing date（製造日）
参加した学生の感想
◆正規代理店への就職に興味を持ちました。ただ単に韓国で出た商品を販売するのではなく日本では何が求められているのか、人気なのかを調べて取り寄せる仕事に魅力を感じました。実際に働いている方の話を直接聞けてとても良い経験でした。
◆韓国コスメや、流通の事が一度にわかり、またとても説明が分かりやすく直ぐに理解できました。
実際に私は美容部員に就職しますが、卸業者や問屋のお仕事などにもとても興味を持ちました。自分の好きなコスメを広めていく楽しさ等を感じたので機会があればやってみたいなと思いました。
◆「正規代理店」という言葉を聞いたことはありましたが、具体的にどういう役割をしているのか理解していなかったので、今日お話を聞けてよかったです。営業職のやりがいを感じる瞬間と大変なことについてもお聞きすることができ、今後社会に出る上で役立つ情報をたくさん聞くことができました。
◆韓国のコスメ会社の仕組みを全く知らなかったので今日の授業を通してどういう仕組みかを知ることができました。それぞれのブランドのイメージなどもより知ることが出来ました。
◆営業などは井上先生の授業を受講しているため大まかな流れなどは理解していたつもりでしたが、化粧品や外資などといった違う視点での流通を知りませんでした。今回の講義を通して知ることが出来たため、とても勉強になりました。
◆韓国から日本に化粧品を売る際、どのように取り引きされているのかを初めて知り、これからお店で見る時の視点が変わるなと思いました。
◆それぞれのブランドの化粧品を日本で発売するのに法律に沿ったり、決まりがある中で韓国のものを日本に合わせて色々変えて発売していると知ってとても大変だと思いました。
◆EXPやMFGの記載は見たことがあったのですがそれが消費期限、生産年月日という意味があったということを初めて学びました。
◆問屋の存在と役割を始めて詳しく知ることができました。同じ会社が出しているコスメブランドでも見せ方が全然違うので面白いと思いました。
服飾芸術科
