ヘルシー通信

快適な厨房環境で「給食管理実習」


2007年度1月号 快適な厨房環境で「給食管理実習」

 本学では2年次に「給食管理実習」の授業を通じて、集団給食に関する管理業務(主に栄養管理・調理作業管理・食材管理・事務管理など)を実際に行 います。この実習は本学の調理施設を使用し、集団給食の基礎知識や技術など、栄養士としての実践力を身につけ、即戦力として活躍できるように、集団での行 動を通じて、人との関わり方を学んでいきます。「給食管理実習」では(栄養指導を含む)献立作成・調理などを行います。つまり、喫食者のみなさん(先生や 他の学生達)の健康維持を目指し、栄養バランスに配慮した献立をたて、調理した食事を提供します。

 調理作業は100食という大量調理を行います。そのためには、料理の安全性、美味しさ・供食時の味・温度・料理の形状などの品質管理や、HACCPの概念(危機の発生を未然に防止することを目的とした衛生管理手法)に基ついた衛生管理が必要となります。
 戸板女子短期大学食物栄養科は、4年前に八王子校舎から三田校舎へ移転しました。このとき、三田校舎に、快適で、しかも、衛生管理に適した「ドライシス テム方式でHACCPに則った厨房」の設備を設けることが出来ました。 厨房は検収室、食品倉庫、下処理室、加熱調理室・カウンター、洗浄室と、各々分かれている部屋で作業が出来るようになっています(図 参照)。ここでは食材の搬入から供食まで、次のような衛生管理によって、事故を未然に防ぐための、危機管理をしています。

検収室・食品倉庫: 食品の搬入、検収で品質や鮮度の確認。原材料の採取。食材の保管は冷凍冷蔵庫の温度確認。害虫の侵入防止。
下処理室: 野菜の洗浄、切截、成形は、流水で3回以上洗う。各専用のまな板包丁を使用、二次汚染防止。水質検査実施。
加熱調理室: 蒸す、焼く、炒める、揚げる、汁物、炊飯は、中心温度75℃、1分間以上加熱。保存食の採取。
カウンター: マスク、手袋の着用。異物混入防止。冷菜は10℃以下、加熱調理品は65℃以上で2時間以内に喫食(室温では30分以内)。
洗浄室: 食器洗浄後消毒保管のため保管庫の温度確認。

 大量調理では、このような衛生管理を取り入れ、事故の防止に努めていますが、HACCP対応の厨房設備であるため、作業がし易いです。 次は、ワンフロアタイプの厨房から、現在の厨房になった利点です。

  1.温湿度管理のコントロールがし易くなった。
2.HACCP対応で、汚染地区・非汚染地区の区別ができ、安全で衛生管理がし易くなった。
3.調理は作業動線が重ならず、効率良く出来るようになった。
4.一定の品質の維持管理が出来、多用なメニューへの対応も可能になった。

  このように、本学が「ドライシステム方式でHACCP対応」の厨房設備にしたことから、快適な厨房環境となり、実習する学生も大変意欲的に取り組んでいま す。また、食中毒や事故の危険性を効果的に減少させることができると言えます。  従来からの大量調理の厨房は、狭くて古く、建物の北側にあり、冬は暗くて寒く、風通しが悪いので夏は暑い、その上ワンフロアタイプの厨房であるため、作 業区分(汚染地区と非汚染地区)を分けづらく、衛生管理に気を使う、など多くの問題を抱えながら、あまり明るいイメージのないものが少なくありません。い ろいろな場所で、本学の厨房設備のような「ドライシステム方式でHACCP対応」の厨房を望む声が多く聞かれます。  「給食管理実習」は、短期間に授業時数の多い学生にとって、朝が早く、調理作業、食事の提供、午後の清掃など、長時間立ち働き、疲れる中、努力のいる科 目となっています。しかし、快適で安全な厨房環境で実習ができる学生は非常に恵まれており、成果が上がるものと思われます。

【 給食経営管理研究室 山口丕些子(管理栄養士) 】