ヘルシー通信

消費者と生産者がともにヘルシーでハッピーな食生活を


2006年度1月号 「消費者と生産者がともにヘルシーでハッピーな食生活を」

食べなければおなかがすいて働けないから食事をするというのも事実ですが、自分や周りの人びとが幸せになるためというのも、ものを食べる目的のひとつではないでしょうか。食欲、性欲、知識欲といった基本的な欲求はそれが満たされれば幸福感が得られるものです。
ところで、ものを食べるときに、その食物がどのようにして自分のところに届いたのかを考えることがあるでしょうか?
すし屋でマグロを食べるときに、ケープタウン沖でこのマグロがどんな顔をして泳いでいたのか、どんな人に釣り上げられて、その人はどんな生活をしているの か云々。いくらその食物がおいしくても、その食物の生産、採取、食品の製造や調理や流通などの一連のプロセスに関わっている人びとが過酷な労働に従事し、 経済的にも貧しく、不健康で不幸せな生活を送っているとしたら、おいしさも、それを食べる幸福感も半減するのではないでしょうか。

●フェアトレード(fair trade)を知っていますか?
フェアトレードとは、経済的、社会的に立場の弱い発展途上国などの生産者と、通常の国際市場価格よりも高めに設定した価格で、継続的に農産物や手工芸品、 生活雑貨などを取引し発展途上国の人々の自立を促すという一種の社会運動として始まったものです。そして現在では環境的問題も配慮した、社会の持続可能な 発展のための運動となっています。このようなフェアトレードの考え方は、現在日本でも強まってきている、「規制を緩和し国境を越えたグローバルな自由競争 を保障することがフェアであり、そうすることで問題が解決し社会は良い方向へ向かう」という考えとはかなり異なっているように思います。
日本の食料自給率は先進国中では際立って低く、熱量で計算すると約40%で、多くの食料や飼料を外国から輸入しています。日本への食料供給国には経済的、 社会的に発展途上の国々もあります。輸入食品の安さの要因には、賃金の安さ、労働者の健康や環境に対する配慮にかかるコストの低さもあります。
世界の40カ国以上で、約500万人の人びとがフェアトレード製品を製造し、欧米でのフェアトレード製品の市場は急速に成長をしているようです。フェアト レード商品を広めるために国際的な基準が作られ、認証ラベルが商品につけられています。このうち日本で取り扱われている商品は、コーヒー、紅茶、チョコ レート、はちみつなどです。あのスターバックスにもフェアトレード認証コーヒーがあります。環境に配慮をした組織であることを示すISO14001認証が 企業等のイメージの向上に役立つように、やがてフェアトレードラベルも企業イメージをアップするものとなるかもしれません。

参考資料

http://www.fairtrade-jp.org/
http://www.fairtradecenter.org/
http://www.maff.go.jp/

 

栄養生化学研究室 堀坂宜弘