ヘルシー通信

飛魚・トビウオ・フライングフィッシュ~海面を滑空する不思議な魚~


2006年度6月号 「飛魚・トビウオ・フライングフィッシュ~海面を滑空する不思議な魚~」

【トビウオとは?】~何故飛ぶの??~

ダツ目トビウオ科に属する魚の総称で、日本国内に約30種が知られています。
トビウオは、翼のような大きな胸ビレを広げ、水中から勢いをつけて水上に飛び出し、グライダーのように滑空します。
トビウオの尾ビレは下側の部分が発達していますが、これは水面に飛び出す際に助走をつけるのに役立っています。また、滑空中に尾ビレで水面を叩いて飛距離 を伸ばすこともします。最長で約500mの距離を滑空できると言われ、そのスピードは時速70kmにも達します
マグロやシイラなどの大型魚に追いかけられると海上を飛んで逃げます。


抜群のスタイル

トビウオは、名前の通り、海面を飛ぶ不思議な魚です。
体は、紡錘形、胸びれが長く発達!

少しでも体を軽くするために食べた物はすぐに消化してしまいます。
腸もごく短く、 脂肪分も少ないシェープアップされた体になっています。

 

その種類と旬

日本近海には、20種類以上が生息していて各地で様々な名前で呼ばれているので、
種類の名前は混乱しています。
一般的に関東の市場では、春に採れる春トビと夏に採れる夏トビの2つに分けられて扱われます。

 

1.

トビウオ(本トビ)
全長約35cm 夏から秋にかけて旬
2. ハマトビウオ(オオトビ)
全長約44cm 冬から春にかけて旬
3. ツクシトビウオ
全長約33cm 初夏から秋にかけて旬

 

 

ありがたい栄養素

飛魚は、回遊魚(背青魚:鯖、鰯、鮪等)でありながら、独特の栄養的特徴があります。

1. 飛魚の栄養的特徴
  (1)高タンパクでありながら低脂肪である。
低カロリーなタンパク源(ヘルシーな食材)
トビウオは、抜群な運動量のため脂肪が少ない。
(2)抗酸化作用の期待できる食材
ビタミンEとセレンの抗酸化のダブル効果
魚の中では、ビタミンEが多い。
(3)イアシンの効果
身が白い魚にしては、ナイアシンが多い
アセトアルデヒドを分解(二日酔いにいい?)

 

2.飛魚の栄養分(100g中)

  エネルギー
kcal
タンパク質
g
脂質
g
ナイアシン
mg
ビタミンE
mg
コレステロール
mg
飛魚 生 96 21.0 0.7 7.1 2.3 59
まあじ 121 20.7 3.5 5.4 0.4 77
めばちマグロ 108 22.8 1.2 13.5 0.3 43
まさば 202 20.7 12.1 10.4 0.9 64

 

【トビウオの利用】~刺身もよし、加工してもよし!~

トビウオの肉は、白身で上品な味です。
新鮮なものは刺身や焼魚にして、また加工品の原料としても多く利用されています。
また、トビウオの卵はトビッコと呼ばれ、寿司ネタになります。

 

●クサヤ(八丈島・三宅島等)

クサヤにはアオムロやムロアジがよく使われるが、
脂肪が少なくタンパク質の多いトビウオは美味しいクサヤができます。

 

●アゴダシ

長崎から佐渡近辺までの日本海側ではトビウオを「アゴ」と呼び、幼魚を素焼きにして乾燥させたものをダシに使います。特に長崎では、正月のお雑煮に欠かせません。

 

●アゴ竹輪(アゴ野焼き)

トビウオをすり身にして焼き上げた竹輪。出雲地域では古くから名産品となっています。

 

食品加工学研究室 谷口裕信